1. 「東レのR&Dの取組み」 東レ株式会社 研究・開発企画部 部長 後藤 一起氏 発表では、東レ株式会社の概要のほか、4つのコア技術を中心とした研究・技術開発並びに事業展開についての説明があった。また、特に基礎研究の重要性から、これまでも様々な研究拠点を設けてきたが、2019年に未来創造型融合拠点として「未来創造研究センター」が設立された。さらに100周年を迎える2026年には、名古屋にグリーンとナノの融合研究拠点を設立する予定とのことであった。「未来創造研究センター」では、ファインポリマー&ナノファブリケーション、・コンピュータ&マテリアルサイエンスの融合を目指し、50年先、100年先を見据えた、材料研究をさらに深化 させる研究拠点としているとのことである。 事業拡大に向けたR&Dの重点分野として、「環境対応技術」、「炭素繊維複合材料」、「分離膜技術展開」、「次世代モビリティ材料」としており、それぞれの取り組みについて具体的な事例などの詳細説明があった。以上
2.「(株)東レリサーチサンターの最先端分析技術開発の取り組み」 株式会社東レリサーチセンター 技術開発企画部 研究主幹 兼 海外事業推進室長 山元 隆志氏(工学博士) 同社は、半導体・実装、ディスプレイ・プリンター、電池・エネルギー、自動車、工業材料、環境、医薬、バイオなどを対象とした受託分析や、機器分析全般、有機分析、分光分析、表面分析、物性測定、半導体分析、電池分析、医薬品分析 等の分析講座を持つ教育事業を行っている。発表では、同社の概要のほか、同社の持つ技術に基づく顧客との信頼性の高さ、また様々な要望に応えるための「状況把握」、「分析」並びに「結果」を導くための事例が説明された。さらに、今回は機能性フィルムに関する分析事例として、「食品包装用積層フィルムの層解析」、「GCIB-TOF-SIMSによる光学フィルム表面処理層の定性分析」について最先端の事例説明が行われた。以上
3.「〜空間革命〜カエル、カワル。機能性フィルムで拡げるミライ」 Toppan(株) 生活・産業事業本部 環境デザイン事業部 マーケティング戦略本部 市場創造部 部長 渡辺 庸介氏 「イノベーション創出」のDNAをもつTOPPANは2023年10月にホールディングス体制へ移行し、ガバナンス強化とグループシナジーの最大化を目指す。印刷技術を基盤に、250社以上のグループが連携し、多様な事業と価値創造を推進する。環境デザイン事業部のビジョン「あしたを、ここちよい空間(せかい)へ」を掲げ、想いをカタチにし、人々が豊かに暮らせるセカイ、すなわち“人々が遊び、働き、暮らすことに満足できる都市空間”を提供する空間演出ブランド「expace(エクスペース)」を2020年に立ち上げた。以来、お客様の声を重視し、ワンストップで多彩なソリューションを、国内外のトレンド調査を基にデザインマーケティングの上、環境に配慮した最先端テクノロジーを駆使した新たなオフィス空間をお客様とともに創造、提供してきた。機能性フィルムとしては、SDGsを推進し、業界初の抗ウイルス・抗菌オレフィンシートを開発。SIAA認証の製品で安心・安全な空間を提供し、傷や汚れに強い「SmartNANO®」シリーズで耐久性と快適な住空間を持たせる特徴を説明した。また空間に溶け込むインテリアディスプレイ「DOUBLE VIEW(ダブルビュー)」では、自動運転車やソフトウェア・ディファインド・ビークル(SDV)などの次世代モビリティを想定した新しい内装部材が紹介され、機能性フィルムで拡げるミライの可能性を示した。「空間演出」×「イノベーション創出」の観点で、今後の時代に即した環境配慮技術と枠組みを示し、機能性フィルムで拡がる・つながるミライが期待できるTOPPANのもつ最先端技術を紹介した講演であった。以上
4.矢野経シリーズ 船木知子の市場レポート「工業用PETフィルム市場の動向と展望」 今回は、7月末に発刊した「2024年版高機能フィルム市場の展望と戦略」からの情報について発表があった。特に、直近のトピックスについては、鋭い視点から業界再編や今後の動向などについて当日のみの資料に基づき説明された。
5.施設見学ツアー 60名を10名づつの班に分け、「未来創造研究センター」及び「東レリサーチセンター」の施設見学を行った。見学中には多くの質問が出されたが、ツアー時間の制約ですべてには対応できなかったが、参加者の興味と関心の高さがうかがえた。以上
|